黒潮医療人養成プロジェクト・事業責任者の降幡睦夫です。
本プロジェクトは、文部科学省の令和4年研究拠点形成費等補助金(ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業)として採択されました。高知大学、和歌山県立医科大学、三重大学が力をあわせて7年間の事業に取り組んで参ります。
三大学医学部は教育・研究・先進医療活動のみならず、地域医療の要として大きな責任を有しています。すでに各県においては、高い高齢化率、人口減少、県庁所在地から遠隔地の医療確保といった共通課題が山積しており、とくに近い将来に予測されている南海トラフ巨大地震が発災した場合、深刻な津波被害が想定され、災害医療への要請が高まっております。このような地域のニーズに応え、地域における医療状況を把握し、問題解決への意欲を備えた医療人を育て輩出していくことは、大学としての大きな使命です。
こうした医療人を私たちは「黒潮医療人」と名付け、本プロジェクトで積極的に育成に取り組んで参ります。
本プロジェクトでは、三大学を中心に各県の特色ある医学教育を展開します。互いの大学の強みを生かしながら、多様な学びの環境を創出し提供するとともに、地域に根差した教育の質向上に努めます。さらにEラーニングコンテンツの共同制作、授業相互参観、サイトビジット、学生の相互交流などのほか、毎年、オンラインでの合同シンポジウムも計画しています。
本プロジェクトには、県行政、医師会、地域医療機関、地域住民の皆さんのご協力が欠かせません。また、医療人材養成の主旨に理解を示す地域指向性の高い学生が、三大学に多く入学していただけることも期待しています。
皆さんのご理解、ご支援をいただきますようお願い申し上げます。
黒潮医療人養成プロジェクト 責任者
高知大学医学部 学部長 降幡 睦夫