黒潮医療人養成プロジェクト
三重大学の教育プログラム
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プログラム全体像
三重大学の教育プログラム

三重大学医学部医学科の教育理念に基づいて、特色のある「地域医療教育」が実践されています。「地域医療教育」では、三重県、市町村振興協会、地域の関係教育病院の協力を得て、6年間を通じて地域で実践的に学び、総合診療、救急・災害医療、感染症対策等の分野横断的な知識と技能を兼ね備えた医療人を養成するための教育プログラムを展開します。

カリキュラム紹介

体験実習

分類 実習型科目
取り組む分野 地域医療一般
対象年次・対象者 1~2年次の本学医学部学生(医学科・看護学科合同授業)
人数 各年次205名まで
学びの目標 低学年から地域に継続的にかかわり、地域保健医療福祉に必要な知識・技能・態度の基礎を学ぶ
内容
  • 県内各市町医療施設等の訪問、附属病院での早期実習(患者、病院体験実習)、一次救命処置講習など各種実習を行う
  • 地域保健医療の現状、地域にある医療文化や保健医療システム、病院を受診する患者の医療への期待や病気に関する不安などを体験的に学修する
  • 実習各グループが1市町を2年間継続して担当し、地域貢献活動を実施する
  • 学習形式は、全体講義、自己学習、グループ学習(教員・市町担当者からの指導含む)、実習により構成する
実施時期
  • 「医療と社会」1年次:4月~2月
  • 「医療と社会」2年次:4月~2月
単位 「医療と社会」:必修9単位

アクティブラーニングコース地域総合診療コース

分類 実習型科目
取り組む分野 地域医療・総合診療
対象年次・対象者 1~6年次の本学医学科学生
人数 各年次8名(地域枠学生に限定しないが、応募者が多い場合は地域枠学生を優先する)
学びの目標 地域医療の課題について深く理解し、能動的に分析、介入のできる研究心・能力を養う
内容
  • 新医学専攻コース・研究室研修の枠組みを利用して、特に総合診療医の養成を目的として、研究活動と能動的学習を拡充したコースを設ける
  • 新医学専攻コースでは6年間継続して研究活動等に参加する。6年間で1回以上の学会発表もしくは論文執筆という形でアウトプットを行う
  • 研究室研修では3~4年次に1年間研究室に配属され研究活動を行う。4年次に学内での成果発表会で発表を行う
  • 研究テーマは、地域に関連する課題を抽出してそれに対して解決法を考察する
  • 期間を通じて、担当教員が学生1~2名を担当し、地域に関連した臨床疫学的研究を行い、地域医療・総合診療への理解を深める
実施時期
  • 新医学専攻コース:1~6年次
  • 研究室研修:3年次後期、4年次前期
単位
  • 新医学専攻コース:選択1単位
  • 研究室研修:必修7単位

アクティブラーニングコース災害救急・感染症コース

分類 演習型科目、講義型科目、実習型科目
取り組む分野 救急医療・感染症
対象年次・対象者 3~6年次のすべての本学医学科学生
人数 3~5年各年次125名、6年次10名
学びの目標 南海トラフ地震に備え災害医療の基本を理解し、あらゆる傷病者に対して迅速な診断と初期治療が可能であり、かつ新興・再興感染症流行時の診療・感染制御に対応できる
内容 <演習型科目>
  • PBLチュートリアル教育において感染症ユニットでの新興感染症事例を通して公衆衛生学的見地から学修する
  • 感染症ユニット期間中に、希望者に対し中部国際空港検疫施設での終日の実習を行う(定員20名)
<講義型科目>
  • 臨床実習前集中講義・感染症疫学シリーズにおいて、国立感染症研究所疫学センター研究員による講義、感染症疫学・公衆衛生に関するe-learning教材を活用した自己学習とオンライン予防接種自己学習プログラムを活用する
<実習型科目>
  • 研究室研修では3~4年次に1年間研究室に配属され研究活動を行う。4年次に学内での成果発表会で発表を行う
  • 研究テーマは、地域に関連する課題を抽出してそれに対して解決法を考察する
  • 全科ローテーション型臨床実習・救急部ローテーションにおいて、感染症患者に対する救急対応をAR機器を活用して学修する
  • 大災害の発生、新興感染症パンデミック時の災害の発生を想定した附属病院での災害訓練に、臨床実習の一部として学生が参加し、災害時救急医療を学修する
  • 選択型臨床実習では、連携大学間で学生を相互に受け入れし、感染症・災害医療・救急医療の実習機会を創出する
実施時期
  • PBLチュートリアル教育:3~4年次
  • 研究室研修:3年次後期、4年次前期
  • 臨床実習前集中講義:4年次
  • 全科ローテーション型臨床実習:4~5年次
  • 選択型臨床実習:6年次
単位
  • PBLチュートリアル教育:全体で15単位
  • 研究室研修:必修7単位
  • 臨床実習(実習前集中講義、全科ローテーション、選択型):62単位

長期滞在型クリニカルクラークシップ

分類 実習型科目
取り組む分野 総合診療、救急・災害医療、感染症
対象年次・対象者 6年次の本学医学科学生(地域枠学生に限定しないが、希望者が多い場合は地域枠学生を優先する)
人数 年度4名
学びの目標 総合診療、救急・災害医療、感染症など地域社会で求められる総合的な診療能力を身に付けるとともに、地域志向性を涵養する
内容
  • 地域社会の医療ニーズに応えられる総合的な臨床能力を身に付けるために、地域医療人材養成拠点病院において長期滞在型のクリニカルクラークシップ(LIC)を実施する
  • 臨床実習選択期間の原則約4か月間をStudent Doctorとして、外来・救急での初期対応から、入院診療、退院調整等、一人の患者に継続的に関わる
  • 患者入退院支援から在宅療養までを担当する多職種協働チームによる活動にチームの一員として参加する
  • 病院外においても健康増進活動などの地域活動に関わる
  • 実習期間中も、総合診療、救急・災害医療、感染症などについて、大学からのオンライン指導、オンデマンド教材提供による指導を行う
  • 大学病院と地域医療人材養成拠点病院との遠隔カンファレンス体制により、学生のカンファレンスへの参加を促進する
  • LIC期間中は、毎週、定期的に大学教員とオンラインでの振り返りを行う
実施時期 6年次4~7月
単位 臨床実習(実習前集中講義、全科ローテーション、選択型):62単位
年間スケジュール
地域拠点病院

優しくて、温かい、確かな医療を

紀南病院組合立紀南病院
所在地
三重県南牟婁郡御浜町阿田和4750
病床数
244床(一般病棟140床、地域包括ケア病棟60床、回復期リハビリテーション病棟40床、感染4床)
診療科
16科(内科、消化器内科、脳神経内科、小児科、外科、消化器外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科)
病院の特徴
当院では、急性期病院としての役割を果たしながら、患者さんが入院前の地域生活に戻れるよう地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟等の回復期機能も強化し、医療・介護・福祉など多職種との連携を密にしながら医療の提供に取り組んでいます。

「安心」をお届けする地域の中核病院

三重県立志摩病院
所在地
三重県志摩市阿児町鵜方1257
病床数
336床(一般病棟164床、地域包括ケア病棟72床、精神科病棟100床)
診療科
15科(内科、循環器科、神経内科、外科、脳神経外科、整形外科、 精神科、小児科、皮膚科、東洋医学、泌尿器科、産婦人科、 眼科、耳鼻いんこう科、放射線科)
病院の特徴
志摩地域(約6万人)、唯一の二次救急病院であり、頻度の高い疾患から稀な症例の経験ができます。また、精神科病床を併設する総合病院で、合併症を有する精神患者医療も経験できます。さらに地域の医院・診療所(離島・へき地)での地域医療研修が可能です。

伊賀、名張地域の暮らしを医療の面から支える

名張市立病院
所在地
三重県名張市百合が丘西1番町178番地
病床数
200床
診療科
10科(循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、総合診療科、外科、整形外科、脳神経外科、麻酔科、眼科、小児科)
病院の特徴
伊賀・名張地域を、平日の救急対応、夜間と土日は、輪番制で救急対応(3病院で交互に)し、小児科は、365日24時間対応しています。また、訪問診療や緩和ケア、地域包括ケア病棟にて、多職種連携カンファレンスを行い、地域への退院調整も行っています。

高齢化率50%超え、目指せ“地域のかかりつけ医”

町立南伊勢病院
所在地
三重県度会郡南伊勢町船越2545
病床数
50床(一般28床、地域包括ケア病床22床)
診療科
7科(内科、整形外科、小児科、脳神経内科、外科、眼科、皮膚科)
病院の特徴
“地域のかかりつけ医”として地域との関わりを深め、1.5次までの救急・在宅診療・健診・高齢者施設への定期診察などを担うこの病院ならではの、大きな病院ではできない経験をしてもらうことで、地域の皆さまに頼られる、あたたかみのある医療サービスについて学ぶ場の提供を目指します。
病棟・外来研修はもちろん、へき地小規模病院ならではの在宅診療、高齢者施設での診療についても研修を受けることができ、地域を知る、地域に生きる人を知る、地域の医療を知る、また病気だけでなく患者様の背景など多角的に診る姿勢を育てることを目標に研修を実施しています。